2017年 秋の彼岸・お墓参りに準備するものは?
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われます。寒暖が彼岸の日を境に変わる、ぐらいの
意味ですね。しかし言葉では聞いたことがあるものの、お彼岸ってどういうものなんでしょうか。
いまさら聞けない「お彼岸のあれこれ」をチェックしてみましょう。
秋のお彼岸は9月23日を真ん中にして、9月20~22日の3日間を彼岸の「入り」、
23日を彼岸の「中日」、24~26日を彼岸の「明け」といいます。23日は「秋分の日」で祝日ですね。
つまり、23日の秋分の日を中心に、20~26日の7日間を秋彼岸というわけです。
〇彼岸の準備・迎え方
秋のお彼岸には親戚が集まってお墓参りするイメージがあります。地方で「本家」だとか、
「長男」で「墓守り」であるとか、そういう場合は子供のころから染みついている人もいるんではないでしょうか。
では当日に向かって、一般的にはどうすればいいのでしょうか。
- 仏壇周りの整頓・準備
- お墓周りの掃除(水をかけ、タオルで拭き取る) などをします。
〇彼岸のお墓参り
お彼岸にはお墓参りをしますが、この「お墓参り」は仏教国の中でも日本独自の風習で、他国では
見られません。春の彼岸は3月20日の「春分の日」を「中日」として17~23日までの7日間をいいますが、
春分の日も秋分の日も、昼夜の長さが同じくなるとされ、太陽は真東から昇り、真西に沈みます。
もともと浄土思想では極楽浄土は西方にあるとされ(西方浄土)、真西に沈む太陽を見て、極楽浄土や
先祖に対して供養するようなことが定着していった、とされます。
〇彼岸のお供え物
「秋分の日」を中日とする秋のお彼岸ですが、秋にお供えするのはおはぎがメインです。
これは秋に「萩」が見られるためです。逆に春のお彼岸にはぼた餅を用意するのは、春には
牡丹の花が成葉するためです。その他にも
- マッチやライター
- 花立て
- お花
- お供え物(果物や飲料など、故人の好きだったもの) など用意します。
〇お彼岸の由来
上でも触れましたが、お彼岸は他の仏教国にはない日本独自の文化として根付いてきました。
もともと日本では、神道から来るお正月などの文化がありますが、他方では仏教文化も伝わり、馴染んできました。
お彼岸は「日願」ともされ、「日」の字から太陽神を標ぼうする神道とシンパシーがあったとされます。
そして春のお彼岸「春分の日」は祝日法によると、「自然と生物を慈しむ」のが趣旨とされ、
秋のお彼岸「秋分の日」は「祖先を敬い、亡くなった人々を偲ぶ」のがその目的とされます。
ところで、般若心経に「般若波羅蜜多」という文面がありますが、この「波羅蜜多」とはサンスクリット語では
「パーラミター」と音読し、「パーラミター=完成・成就」を意味するものです。
このパーラミターは仏教で目的・目標とする完成形を指し、いわば悟りの境地を表すのです。
また仏教でいう「此岸」が私たち煩悩ばかりの人間界=世界を指すのに対して、
「彼岸」は煩悩を一掃した悟りの境地に達した世界を表し、「お彼岸」としていまの形に伝わっています。